上質の沖縄旅行
一九四九年(昭和二四年)、トヨタ自工は年越し資金が欠乏し、倒産の危機に直面した。
金融機関に協調融資斡旋を依頼したが、銀行によってはトヨタに三行半を突き付けたところもあった。
とは言え、何とか協調融資を得て危機を脱するが、当時その協調融資を斡旋した日銀の再建案は、販売会社の独立と過剰人員の整理であった。
一九五○年(昭和二五年)、トヨタ自動車販売が分離・独立したが、人員整理をめぐって、大労働争議へと事態は悪化した。
結局、解雇者は一六○○人に達し、経営側もT社長以下幹部三人が責任をとって、その年の六月に大争議は幕を引いた。
大争議の後、トヨタ自工は、豊田自動織機社長のI氏を社長に迎え、帝国銀行からN氏が専務に就任した。
「自分の城は自分で守れ」とは、K氏から倒産の危機・大争議の後を託されたI氏の経営信念であった。
この言葉は、まさにトヨタDNAとして引き継がれている。
その後、トヨタ自工は、折からの朝鮮戦争特需もあって業績を立ち直らせた。
I氏は、業績も復活したことでT氏に社長復帰を懇願したものの、その矢先にK氏は急逝してしまった。
一九五二年(昭和二七年)三月一七日のことだった。
倒産の危機を脱するために分離・独立したトヨタ自動車販売は、日本GM社からK氏が全面的に販売網の構築・体制作りを任された。
Kトヨタ自販は、地元資本による専売店を設立する。
つまり、最初から販売店に販売地域を決め、その地域内で独占的販売を認めるという〃フランチャイズ・システム〃を採用した。
トヨタの考えに同調してくれる販売店と一体となり、信頼し合える関係作りを推進したK商法は、「一にユーザー、二にディーラー、三にメーカー」というお客様第一主義を確立したのだ。
販売の神様と呼ばれたK商法の真髄は、販売・営業をやりやすくする環境作りにあった。
すなわち、地場資本で固める全国販売網、海外市場の開拓計画、アフターサービス体制、セールスマン教育、自動車割賦販売(自動車ローン)、自動車保険などを開拓し、これが現在のトヨタ販売体制の基礎になっている。
「5W1Hを自らに問え。
問題点を発見するには、『なぜ』を五回反復して見よ。
『なぜ』を五回繰り返せば、本当の要因がわかり、どうすればよいか(HOW)もわかってくる」トヨタ生産方式(TPS)は、徹底してムダを排し、多種少量でも低コストで高品質の製品を生み出す二○世紀のモノ作りの王道とまで言われた。
トヨタ経営の原点でもあり、二十一世紀もさらに進化していくことになるだろう。
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